紅白での欅坂46、日本の根性論について
欅坂46がすきだ。
今までアイドルグループにはあまり興味がなかったけれど、あの鬼気迫る感じ、騎馬戦まで組んだりして、乱れて踊る姿には感動する。
今まで歌手なのに口パクってどうなんだろう…、と感じるアイドルも多かったけれど、あそこまで「私達はこのダンスで、表現します。」という意志が伝わると、そんなことどうでもよくなる。
その欅坂46が紅白で3人、過呼吸で体調を崩したことが一時話題になった。
私もとても心配になった。
でも、それと同じくらい、そのあとツイッターで検索した時の視聴者のリアクションも、少し驚くところがあった。
勿論、ただただ心配する声や、放送事故、と囃し立てる野次馬もいる中で、「そんなに頑張ったんだね、素晴らしかった」
と賞賛を挙げる声がちらほら見えて、衝撃を受けた。それは違うんじゃない?と
例えば、もしあの中のメンバーで、自分はあれだけのパフォーマンスをしたら倒れてしまう、と思って事前に筋トレしてた子がいたら?と思ってしまう。
その子はトレーニングの結果倒れなくて済んだのに、倒れた子が注目されて、更に心配されるのではなく賞賛されたら、どんな気持ちになるだろう。
私なら、自分はもっと頑張らなくちゃ、苦しまなくちゃ、病んでなくちゃいけないんだと思ってしまう。
これって、日本社会の根強い根性論からくるものだと思う。
テキパキ仕事をこなして早帰りする人より、残業して会社のために尽くしてます、感を出す人の方が評価される日本社会そのもの。
だからって、倒れた3人は悪くない。本当に心配になったし、倒れなかったメンバー含め、彼女たちは本当に若い。
あれくらいの歳の子って、大人が考える以上に沢山の気配りをして悩んでるし、一方で、大人が思う以上に、大人の言うことを正しいと思い込んでしまったり、それこそ「僕は嫌だ」って言えないものだとおもう。
彼女の周りにいる大人たちに伝えたい。そんな根性論、もう古いよって。
そもそもあれ、エンターテイメントとして成立していない。
彼女達が倒れた後、司会の後ろの審査員の方が物凄く心配そうな顔をしてた。テレビの前で見てた私も心配になったのに、会場で見てたお客さん達は目の前で人が倒れたり痙攣おこしたり、本当に驚いたんじゃないだろうか。
年末の一大お祭りイベントに、あんな不穏な空気が流れてしまったこと、彼女達の頑張りがあんな風に映ってしまったことも私はとても残念だ。
そりゃ、ライブで歌手が必死に汗だくで歌う姿には感動する。でもあの欅坂のパフォーマンスは、確実に安心して見ていられるボーダーラインを超えてた。あれはエンターテイメントじゃない。
わたしは物凄く熱心なファンではないから、運営がどうとかはよくわからないけど、周りの大人達の中には「彼女達が限界ギリギリで頑張っていることも、パフォーマンスとして映えるだろう」という日本の古き悪い、根性論を無意識に持ってる人がいたと思う。
日本人の価値観が、「健康に、病まずに、頑張っている状態が一番良い」ってなるように、あの欅坂を見て、「安心して見られない、エンターテイメントじゃない、大丈夫なの?」
て受け取る人が増えるといい。
それが健康的な発想だと思うんだけれど、どうなんだろう?